地域経済の活性化を図るため、地方自治体や、地方企業がデジタル化を進める動きが見られるようになってきています。しかし、デジタル技術の導入と共に、情報漏えいやサイバー攻撃といったセキュリティリスクも増大。今回は、地域企業がすぐ実行できる具体的なセキュリティ対策を紹介します。1. デジタル化の現状とその重要性近年、政府や自治体は地域経済の再生を目的に、地方企業のデジタル化を推進しています。たとえば、IPA(情報処理推進機構)の調査では、昨今の地方企業の約70%が何らかの形でDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいるとの報告もあり、セキュリティ対策の重要性が一層高まっています 。IPA「セキュリティ白書」:デジタル化推進とセキュリティ対策の最新動向また、デジタルツールの導入は業務効率化や顧客サービス向上に直結する一方で、セキュリティ対策を怠ると情報漏えいや不正アクセスといったトラブルを招く危険性があります。特に、個人のお客様の顧客情報をとり扱う場合、万全の対策が求められます。2. セキュリティの基本対策地域企業がまず取り組むべきは、以下の基本対策です。パスワード管理の徹底複雑で推測されにくいパスワードを使用し、定期的な変更を心がけることが重要です。パスワード管理ツールの導入もおすすめです。二要素認証の導入単一のパスワードに依存せず、携帯電話や専用トークンによる追加認証を行うことで、セキュリティレベルを向上させます※2。ウイルス対策ソフトの活用常に最新のウイルス定義ファイルで更新されるソフトを導入し、リアルタイムでの監視を行いましょう。定期的なバックアップの実施重要データは定期的に外部メディアやクラウドにバックアップし、万が一の際にも迅速に復旧できる体制を整えます。セキュリティガイドライン:パスワード管理と二要素認証の重要性これらの基本対策は、すぐ実行できるセキュリティの「土台」となります。3. すぐ実行できる具体的なセキュリティ対策地域企業が直ちに取り組むことができる対策をいくつか紹介します。3.1 定期的なソフトウェアのアップデートシステムやアプリケーションのアップデートは、新たな脆弱性を塞ぐための基本中の基本です。これにより、不正アクセスのリスクを大幅に低減できます。3.2 社内研修の実施社員全員に対して、サイバー攻撃の手口や最新のセキュリティ対策に関する研修を実施することで、内部からのリスク管理意識を高めることができます。実際、ある中小企業では定期研修の実施後、セキュリティインシデントが30%減少した※3というデータも報告されています 。3.3 セキュリティポリシーの策定と運用社内で統一されたルールやガイドラインを整備することは、日常的な運用上の混乱を防ぎ、事故発生時の迅速な対応を可能にします。3.4 外部パートナーとの連携自社内だけではカバーしきれない部分も多いため、セキュリティ対応可能な企業や外部のパートナーとの連携も検討すべきです。例えば、サイバー攻撃の早期発見と対応のために、24時間体制の監視サービスを利用するケースが増えていますサイバーセキュリティトレンドレポート(2020年)中小企業のセキュリティ対策効果結論地方企業のデジタル化は、業務効率や顧客サービス向上に大きなメリットをもたらす一方、セキュリティ対策が十分でなければ、実態に合ったサービスを提供していくことに不安が残ったままと言えます。今回紹介した、すぐ実行できる具体的な対策を実践することで、企業はリスクを最小限に抑え、安心してデジタル化の道を歩むことができるでしょう。地域で愛される企業が安全に運営されることは、地域全体の安心感につながります。今後も地域企業と共に、セキュリティ意識の向上に取り組んでいってほしいと思います。